ヒット商品を生むコツ
「ヒット商品」という言葉は、企業の経営者は勿論、新製品の開発を職務とする従業者にとっても、気になる言葉であり、関心が高いものと思われます。
テレビや雑誌等の各種メディアにおいても、ヒット商品が出た場合、その誕生までの経緯を遡って、開発に至るまでの過程や裏話、例えば、綿密な計算(市場リサーチ、売れる製品についての特徴分析、トレンドの把握など)をした、偶然にもこんな出来事があった、売れないとの判断があったものの敢えて市場に出してみた、などを紹介することがあります。
ヒット商品(市場での評価が高いものも含めます)は、狙って出すことは難しいのですが、それを断続的に出している企業は、常に新しい製品を開発できるような社内環境が整っていたり、あたらしいアイデアの着想を促すような組織形態になっています。また、人数が少ない中小企業であっても、そのような新しい製品に関するアイデアを着想しやすいような環境になっています。
実際に「ヒット商品」になる可能性を秘めた新製品を生み出す企業は、ある共通した特徴を有しており、実際に「ヒット商品」を出している企業の特許を分析しても、そのような特徴を把握することができます。
ヒット商品は偶然か
特許事務所として多数の企業とお付き合いしていると、特許出願した発明が実際に製品化され、それがヒット商品となり、企業の利益に大きく貢献するケースと遭遇することがあります。
しかし、その一方で、特許出願し、特許権を取得したものの、その特許に係る製品を製造、販売していない、或いは、売れ出した頃、他社から類似品が出てくる等、特許権を有効活用できなかったり、会社の利益に結び付いていない、といったケースも見受けられます。
ヒット商品が生まれることで、収益が向上することは勿論、下請け型から開発型へ業態をシフトする契機にもなり得ることから、企業を経営する方々にとって、市場に送り出した製品やサービスがヒット商品になることは常に意識するところと思われます。
ところが、1つのアイデアを製品に具現化し、これがヒットした、というケースは殆どお目にかかることはありません。すなわち、着想した1つのアイデア(偶然に思いついたアイデアもあります)が、そのままヒット商品になるのは、きわめて稀なことです。
ヒット商品を生み出している企業を見ると、多数のアイデアの中から様々な要因が結実して1つのヒット商品が生まれるケースが多く、実際、いくつかのヒット商品に関して特許情報を検索してみると、それに関連したアイデアの特許が複数出願されている(アイデアを保護するための特許出願が複数存在する)ことがわかります。
これは、そのヒット商品に関連したいくつかのアイデアが存在していた、ということを裏付けており、複数存在したアイデアから、最も良いと考えられるものを製品化して、それが結果的にヒット商品となっているのです。
すなわち、ヒット商品を、単なる偶然の産物や運に任せるのではなく、これを、ある程度の確率で必然にするためには、まずは、「多数のアイデアを産み出す仕組み作り」が必要となります。
具体的には、ヒット商品を産み出すには、色々なアイデア(雑多なアイデア)が出易い社内環境を作る(そのための業務上の工夫がなされる)ことが重要であり、ヒット商品を断続的に出している企業は、このような仕組みが出来上がっています。
当事務所では、ヒット商品に繋がるアイデアを創出する企業の特徴、ヒット商品を産み出す可能性を高める具体的な手法、ヒット商品と知的財産権の関係等についての情報を提供いたします。
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